近年、タトゥーや刺青(入れ墨)は国内でもファッションの一部として取り入れられることが多くなってきました。若者を中心に広がりつつあるタトゥー文化ですが、実は「レーザー脱毛施術」との相性が良くありません。基本的に一度入れると消し去ることができないのがタトゥーの特徴ですので、キレイにタトゥーを見せたい場合は施術順序が重要になってきます。当コラムで「タトゥー肌と脱毛施術の関係性」についてご確認ください。
目次
タトゥー(彫り物)のある肌の上にレーザーは照射できない!
「タトゥー(刺青)」と「レーザー脱毛」は相性が良くありません。ちょうど、「水」と「油」のような関係だと考えられます。ただし、水と油の場合と違う点は、レーザーの場合はタトゥーをはじくのではなく、むしろ強く吸収されてしまうという部分です。
どういうことかと言うと、タトゥーの彫り込まれたお肌にレーザー光を照射すると、ムダ毛以前に皮膚組織がレーザー光を吸収してしまい、かなりの高確率で熱傷(やけど)を引き起こしてしまいます。このため、タトゥーの入った皮膚エリアについては脱毛施術を断られるのが通常です。
タトゥーの染料が「表皮」の細胞に残っているものにすぎないのであれば、皮膚の新陳代謝によって1ヶ月ほどでタトゥーが消えてなくなるということになりますが、実際はそうはなりませんよね。
「真皮にある細胞」はお肌のターンオーバーで押し出されるようなものではないため、タトゥーのように真皮層にある細胞を着色するとそのまま残し続けることが可能になるのです。
脱毛器のレーザー光は「黒いメラニン色素」に吸収される
さて、イラストにもあるように、各ムダ毛の毛根はその大部分が「真皮」付近に存在しています(厳密には部位によって「皮下組織」に存在しているケースもあります)。
レーザー光はムダ毛に含まれている「黒いメラニン色素」に反応して毛穴全体に熱エネルギーを伝えているので、日焼け跡などが残っていない私たちのお肌であれば毛穴の中だけに熱エネルギーが浸透します。これによって安全に毛根組織が破壊でき、ムダ毛が高確率で再生されないという結果を提供できます。
ところが、タトゥーの染料が「真皮」の中に存在していると、レーザー光はムダ毛の「メラニン色素」以外にも「タトゥーの染み」の方にもしっかりと反応してしまいます。熱の浸透を毛穴の中だけに留めておくことができず、真皮層の皮膚組織全体に熱ダメージが及んでしまうのです。皮膚組織への熱の浸透は、ストレートに熱傷(やけど)という形で皮膚の損傷をもたらします。
タトゥーや刺青ではかなり濃い染料が使われているため、熱エネルギーの吸収が強くなり「重度の熱傷」を引き起こしてしまう確率が高くなるのです。
タトゥーや刺青を入れる前に脱毛しておこう!
タトゥーの永久性については、それを除去する施術を受けない限りまず間違いないものだと言えるでしょう(時間経過で多少は薄くなりますが、色の付いた真皮細胞が日常生活の中ですべて体外に排出されてしまうことはありません)。
一方、レーザー脱毛施術の永久性については、「3度以上の同部位施術で7割程度の脱毛効果の持続(再生されない状態)」が期待できるものです。
参照:永久脱毛とは? 2つの英語と2つの定義で考える本当の脱毛効果
既に申し上げましたように、タトゥー後のお肌に対してはレーザー照射できませんので、タトゥーを入れたいなと思っている場合については、状況に応じ「先に脱毛施術を受けてしまう」という判断が大切になります。
タトゥーを受ける前に考えておくべきこと
● タトゥーで入れた染料は基本的に消えないものであることを理解する
● タトゥー部位では、レーザーや光などを用いた脱毛施術が受けられない
● 後々、脱毛したいと思う可能性があるなら、先に脱毛施術を受けてツルツルにしておくと良い
タトゥー以外の部位に関しては施術可能?
タトゥー部位ではレーザー照射は実施できませんが、タトゥーや刺青のある部位以外であれば問題なくレーザー脱毛施術が受けられます。
小さなタトゥーなどであれば、ホクロに対して使用することのある「保護シール」のようなものをタトゥー箇所に貼ることでタトゥーの染料に反応しないように対処することも可能です。
ただし、これはタトゥーが小さな場合のみですので、細かく模様に合わせて保護シールを貼るような対応はできないとお考えください。たとえば「すね」や「足首」などにタトゥーを入れる場合は、やはり先に持続的な脱毛効果が期待できる「レーザー脱毛施術」を受けておいた方が良いでしょう。
「絶縁針脱毛」であればタトゥー後も施術可能だが…
従来式の医療脱毛である「絶縁針脱毛(ニードル脱毛)」であれば、タトゥーの彫り込まれたお肌であっても脱毛処置を施せる可能性があります(当院では実施していないため厳密には個別に確認いただく必要があります)。
絶縁針脱毛では「細い針」を毛穴一つひとつに通して電気的に熱処理していくスタイルですので、タトゥーの染料に熱吸収されてしまうような心配はないと考えられます。
ただし、施術費用・痛み・施術時間の負担が大きい
「絶縁針脱毛(ニードル脱毛)」が普及しなかった理由は、「高額施術」であることと「痛み」が強烈であることが考えられます。また1本1本に対して処置していくため、「かなりの時間負担」を強いられます。広範囲の施術には向かず、どちらかと言うとレーザーで対応できない場合の限定的な使い方が一般的です。
タトゥーを入れた後になってその部位のムダ毛が気になりだした場合は止むを得ませんが、そうでない場合は「後から気になったら絶縁針脱毛を受ければよいか…」と安易に考えるのではなく、「先にレーザー脱毛施術で対処しておくこと」を強くおススメします。
ご相談は「無料カウンセリング」で♪
当コラムでは「タトゥー」や「刺青」と脱毛施術の相性についてご説明いたしました。諸外国ではタトゥーを宗教的シンボルとして用いたり、表現手段の一環として使用することが多く、脱毛施術を「タトゥーを入れるための前工程」として活用する場合が少なくありません。
当院でもそのような形でご相談いただくことも可能ですので、ムダ毛のお悩みと併せてお気軽に「無料カウンセリング」をご利用ください。皆さまのお越しをお待ちしております。