日本国内で行なわれている「医療脱毛」では、脱毛効果として永久脱毛という言葉が案内されます。永久という言葉は不変性を表す言葉ですが、「永久脱毛」という言葉は米国内で使用されている2種類の英語を集約して翻訳されたものとなっています。
この関係で永久性の指す意味が少なからず曖昧になっていますので、当コラムで永久脱毛という言葉の本当の意味についてご確認ください。
目次
永久脱毛の2つの英語表現
アメリカ国内では、日本語の「永久脱毛」に該当する言葉(英語)が2つ存在しています。
米国で使用されている「永久脱毛」の表現
1. Permanent hair removal…永久的な毛の除去
2. Permanent hair reduction…永久的な毛の減少
元々は米国内の「逆さまつ毛」の治療において脱毛効果が発見され、1875年に「Permanent hair removal(永久的な毛の除去)」という言葉が使われ始めました。
この後、徐々に施術方法や脱毛機器のバリエーションが増えていくに従い、「Permanent hair reduction(永久的な毛の減少)」という言葉も使用されるようになっていきます。
日本ではブレント脱毛器の輸入に伴い「永久脱毛」という語が普及
日本では1945年に生み出された「ブレント脱毛器」が1970年代に入って輸入され始めたのですが、当時この脱毛器の効果として米国本土で使用されていた「Permanent hair removal(永久的な毛の除去)」という言葉に対して「永久脱毛」という言葉が割り当てられたようです。
時代と共に医療分野で様々な脱毛機器が登場し、「Permanent hair reduction(永久的な毛の減少)」を謳う施術も出てきたのですが、日本国内ではこれを特に区別することなく「永久脱毛」という言葉一つで医療脱毛の効果を案内するという形になりました。
「永久的な毛の除去」であっても「永久的な毛の減少」であっても、その施術は脱毛施術に違いないことから、わざわざ「永久除毛脱毛」や「永久減毛脱毛」などとはせずに、「永久脱毛」とすることでシンプルに表現したということになります。
米国内では電気脱毛の方が有力(脱毛効果の違いも明確)
現在、アメリカ国内の脱毛効果に対する表現はとてもシンプルです。
以下のように、電気脱毛系(≒絶縁針脱毛)のものに「Permanent hair removal(永久的な毛の除去)」という言葉が割り当てられ、レーザー脱毛施術の方に「Permanent hair reduction(永久的な毛の減少)」という言葉が割り当てられています。
米国内の脱毛効果の区分け
● 電気脱毛(絶縁針脱毛)→ Permanent hair removal(永久的な毛の除去)
● レーザー脱毛 → Permanent hair reduction(永久的な毛の減少)
このようなことから、厳格を期すのであれば、絶縁針脱毛(ニードル脱毛)に対しては「永久的な毛の除去施術」とし、レーザー脱毛施術に対しては「永久的な毛の減少施術」とすべきとも言えますが、日本では絶縁針脱毛よりもレーザー脱毛の方が「スピーディーで安価な痛みの少ない施術」として普及しているという側面がございます。
この関係で、少しマイナスのニュアンスが伴う表現を敢えて用いるのではなく、シンプルに「永久脱毛」として医療脱毛の効果を取り扱っているのが実情です。
永久脱毛の2つの定義(米国内の2つの組織の定義)
アメリカは訴訟大国ということもあり、脱毛効果に対しても客観的で厳格な基準が求められます。医療脱毛は現在「絶縁針脱毛(ニードル脱毛)」と「レーザー脱毛」の2つがございますが、前者は施術担当者の施術技術によって脱毛効果が担保され、後者はレーザー脱毛器という医療機器によって脱毛効果が提供されています。
この関係で、電気脱毛の施術ライセンスを出している機関が「絶縁針脱毛」の脱毛効果を定義し、「レーザー脱毛」の脱毛効果については、医療機器を承認する米国の国家機関によってその効果が定義されています。
米国電気脱毛協会の定義
米国電気脱毛協会(American Electrology Association)は、アメリカ国内で最大の脱毛機関です。日本で一般的に「絶縁針脱毛(ニードル脱毛)」として知られる「電気脱毛」の普及拡大を目指しており、電気脱毛施術に対するライセンス承認なども行なっています。
電気脱毛自体は100年以上もの長い歴史があることから、「電気脱毛(≒絶縁針脱毛)こそが永久脱毛を謳える施術だ」という立場を強調しており、ある種「レーザー脱毛」とは対極にある組織となっています。米国電気脱毛協会が公式にアナウンスしている脱毛効果(=永久脱毛)は次のようなものです。
米国電気脱毛協会の脱毛効果
- 脱毛施術を終え、1ヶ月経過したときの対象範囲のムダ毛の再生率が20%以下のもの
この定義に沿うと、電気脱毛系の脱毛施術で除去したムダ毛に関しては、1ヶ月経過した段階で8割以上の脱毛効果が残っているという解釈が成り立ちます。
また、この効果がその後も持続して行くという意味で「Permanent hair removal(永久的な毛の除去)」という言葉が強調されていますので、絶縁針脱毛(ニードル脱毛)には「8割程度の脱毛効果の永続性」があると解釈できます。
米国食品医薬品局の定義
米国食品医薬品局(Food and Drug Administration)とは、アメリカ保健福祉省に属する国家機関であり、日本の厚生労働省に該当する役割を担っています。食品をはじめ、化粧品や医薬品などカバー範囲は多岐に渡り、医療機器の検証や販売許可などについては、下部組織の「医療機器・放射線保健センター (Center for Devices and Radiological Health)」の管轄となっています。
レーザー脱毛器についてもここでその有効性や安全性などが検証されているため、脱毛効果については国家機関としての正式なアナウンスがあります。
米国食品医薬品局のレーザー脱毛の定義
- 3度のレーザー照射後、6ヶ月を経過したときの毛量が施術前より67%以上減っているもの
上記は電気脱毛施術(絶縁針脱毛)の脱毛効果ではなく、「レーザー脱毛器が備えているべき脱毛効果」ですので、「Permanent hair reduction(永久的な毛の減少)」に該当する脱毛効果ということになります。
日本で広く行なわれている「レーザー脱毛施術」については、米国製のレーザー脱毛器が主流となっていることから、脱毛効果についてもこの基準をイメージすると良いでしょう。
当院の「ジェントルレーズプロ」もこの基準をクリアした脱毛器
当院がレーザー脱毛施術のメイン機器として使用している「「ジェントルレーズプロ(ロングパルスアレキサンドライトレーザー)」は、米国のシネロン・キャンデラ社のものになります。
言うまでもなく上記基準を適切にクリアしており、日本の厚生労働省も2017年1月に正式に薬事承認を出しているため、現在の医療脱毛では「最も信頼性の高いモデル」と言っても過言ではありません。
なぜ、レーザー脱毛ではPermanent hair removalと言えないの?
レーザー脱毛は、1996年に「ルビーレーザー」と呼ばれる世界初のレーザー脱毛器が登場して以来まだ20年程度の歴史しかございません。このため、比較的浅い歴史しか持たない脱毛施術に対して、「Permanent hair removal(永久的な毛の除去)」とまで言ってしまうのは無理があるというのが国家組織としての米国食品医薬品局の見解です。
「絶縁針脱毛(ニードル脱毛)」と比較して脱毛効果がやや劣っているというわけでもなく、現状ではこれ以上のことまでは言及できないというのが公平な判断だと言えるでしょう。
日本人が解釈しておくべき「永久脱毛」の意味(まとめ)
ここまでの内容を集約すると、日本の一般的な医療脱毛(レーザー脱毛施術)では以下の脱毛効果をイメージしていただければ良いということになります。
日本の医療機関(レーザー脱毛施術)で提供される脱毛効果のイメージ
3度の施術を実施した場合に、レーザー照射範囲で7割程度の脱毛効果が持続する
上記のものは「最低でもこの程度の効果は見込めるだろう」という基準ですので、清潔感を追求するという意味においては十分なものと言えます。また、施術回数の調整によって限りなくツルツルに近づけることもできますので、当院がご案内している以下の目安も併せてご参考いただくと良いでしょう。
目標地点(ヒゲ脱毛) | レーザー脱毛の施術回数(目安) |
---|---|
ツルツルを目指す | 5回~8回 |
5割~7割程度の脱毛効果 | 3回~5回 |
2割~5割程度の脱毛効果 | 1回~3回 |
「ツルツル」も「自然な毛量」もお気軽にご相談を♪
当院は男性向けの医療脱毛機関として、客観的で信頼性の高い「レーザー脱毛施術」を地域の皆さまにご提供しています。ご説明のように、施術回数によって「ツルツル」を目指すことも「自然で清潔な毛量」に整えることも可能です。
わからない点や疑問点などは随時「無料カウンセリング」でお答えしておりますので、お気軽に当院までご相談ください。皆さまのお越しをお待ちしております。